198:名無しNIPPER[saga]
2016/04/27(水) 23:49:55.17 ID:JrT/SnH5o
「でも、でもね、もうけっこう、割り切ってるつもりなんだけど。もう、そういうのなしで、会えると思うんだけど」
「うん」
「だけど、もう、いまさらかなあって、思うんだ。遊馬くんたちは、きっとわたしが近付けないくらいの場所にいったんだと思う。
そこに割って入ってまで、会ったりしないでも、いいかなあ、って」
「……そう、なのかな」
「……」
「きっと、遊馬兄も、ちい姉も、気にしないと思うよ」
「……そう、かな」
「……遊馬兄、連絡しても返事くれなくなったって、言ってた」
「……」
「寂しいんじゃないのかな、って思った。でも、遊馬兄の性格上、静奈姉から連絡がこなくて寂しいなんて、言えないだろうから」
「……うん。想像できるなあ、それ」
目に浮かぶなあ、って、静奈姉は言った。
「俺が言うことじゃ、ないかもしれないけど」
「……そんなことないよ」と静奈姉は笑った。
「きっと、タクミくん以外、誰も言ってくれなかっただろうから。……ありがとう」
「……うん」
それからふたりで、ほとんど会話もしないで、夕食をとった。
風呂に入って、自分の部屋に戻ったあと、俺は今日のことを思い返して、るーのことを考えて、遊馬兄とちい姉のことを考えて、静奈姉のことを考えて、
それから、小鳥遊こさちのことを考えた。
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