209:名無しNIPPER[saga]
2016/05/03(火) 23:44:20.57 ID:g8K72d6xo
ひとりだけ、ちょっとの沈黙のあとに、声をあげた人がいた。
「……拾い上げようとしてるのかも」
そう呟いたのは、部長だった。
高森はすぐに首をかしげる。
「……と、言いますと?」
部長は、ちょっと困ったように笑いながら、みんなの様子をうかがってから、話を続ける。
「自分で書いた文章と文章の間に、"なにか、それとは違うもの"が含まれてるときがない?
こんなことを書くはずじゃなかった、ってこと。それを、拾い上げようとしてるのかも」
高森は、ピンと来ないみたいにうーんと唸った。
「"何かがある"。でも、"それが何か分からない"。何か言いたいはずなのに、何かが引っ掛かってるのに。
それをどうにかして捕まえようとする。筆圧の跡を鉛筆であぶり出すみたいに、遠回しに。回りこんで近付いてく」
「……"何か"?」
ゴローが、首を傾げた。
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