221:名無しNIPPER[saga]
2016/05/06(金) 20:35:03.50 ID:sikNvEjMo
「でも、仕方ないから、付き合います」
そう言ってるーは、駅で買っていたチョコレートを一粒口に含んだ。
222:名無しNIPPER[saga]
2016/05/06(金) 20:35:29.77 ID:sikNvEjMo
「……ね、タクミくん」
「なに?」
223:名無しNIPPER[saga]
2016/05/06(金) 20:35:58.23 ID:sikNvEjMo
新幹線。
荷物を持って、駅から発って、もう一時間は経った。
チケット代は、バイトでちまちま貯めていた金から、るーの分も俺が出した。
224:名無しNIPPER[saga]
2016/05/06(金) 20:36:24.44 ID:sikNvEjMo
◇
急な話だったけど、休み中というのもあって、るーと予定を合わせるのは簡単だった。
225:名無しNIPPER[saga]
2016/05/06(金) 20:36:57.34 ID:sikNvEjMo
るーに対するお願いは、シンプルなものだった。
この夏の里帰りに、付き合って欲しい、と。
226:名無しNIPPER[saga]
2016/05/06(金) 20:37:24.86 ID:sikNvEjMo
◇
新幹線を降りてから電車に乗り換えて移動。朝早く出てきたとは言え、結構な時間がかかってしまった。
227:名無しNIPPER[saga]
2016/05/06(金) 20:37:53.35 ID:sikNvEjMo
◇
バス停から徒歩数分、全国チェーンの寿司屋を通りすぎて、ファミレスとラーメン屋に挟まれた道路を進んでいく。
入ってすぐに左に折れてしまうと、ゆるやかな勾配の坂道が続いていく。右手に見える木々の向こうはゴルフ場。
228:名無しNIPPER[saga]
2016/05/06(金) 20:38:58.25 ID:sikNvEjMo
「……久々の我が家、だな」
「……感慨深いですか?」
229:名無しNIPPER[saga]
2016/05/06(金) 20:39:24.39 ID:sikNvEjMo
「……さて」と、俺は深呼吸をしてから、玄関へと向かう。
るーが、斜め後ろをついてくる。
「……いきますか」
230:名無しNIPPER[saga]
2016/05/06(金) 20:40:02.52 ID:sikNvEjMo
◇
「本当に急なんだから」と、コップを三つダイニングテーブルの上に置きながら、不満気に口をとがらせた。
231:名無しNIPPER[saga]
2016/05/06(金) 20:40:39.66 ID:sikNvEjMo
母さんは、俺の顔をじっと見て、何かを言いたげにする。
「……なに?」
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