333:名無しNIPPER[saga]
2016/05/17(火) 23:29:59.05 ID:Fxr7uh8Eo
◇
翌週のある日、俺は静奈姉と一緒に、彼女の実家へと向かっていた。
里帰りの際、お土産くらい買っていきなさい、と母に金を渡されて、一応用意していたもの。
それを渡しに行きたいと言ったら、その日なら都合がいいから静奈と一緒にきなさい、と命令口調で言われた。
で、実際に行ってみたら、ちょっと予想していなかった景色が広がっていた。
「よう。遅かったな」
と、遊馬兄は庭先でガーデンテーブルを組み立てながら堂々と言った。
「……なんで遊馬くんが」
ちょっと顔をこわばらせた静奈姉に、遊馬兄は平然と「ひさしぶり」と笑う。
「聞いてない?」
遊馬兄は、ちょっと困った顔をする。
「……なにを?」
静奈姉は戸惑った顔をする。
ひさびさにふたりが揃ったところを見たのに、なんとも言えないぐだぐだっぷりだ。
「バーベキューするって」
「……聞いてない」
「……ユリコさん、自分で伝えるって言ってたのにな」
396Res/275.74 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。