8:名無しNIPPER[saga]
2016/04/06(水) 00:26:10.26 ID:IXgA3K/jo
「なあ、連理兄」
だから俺は、嘉山が何かの覚悟をきめたように、そう声をあげたとき、少しだけほっとした。
「……なんだ?」
「その時計、見せてくれよ」
嘉山はまっすぐに、嵯峨野の方を見据えている。
嵯峨野はしばらくのあいだ黙っていた。
逃げ道をさがすみたいに、しばらく視線をそらして、やがて、あきらめたようにため息をついた。
ポケットから、女物の腕時計が取り出される。
嘉山が、嵯峨野先輩へと、近付いていく。
差し出された時計を、嘉山は受け取って、ゆっくりと眺めた。
「どうして、これがあるんだ?」
「……どうしてだろうな」
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