過去ログ - 屋上に昇って.
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9:名無しNIPPER[saga]
2016/04/06(水) 00:27:09.21 ID:IXgA3K/jo

 本当のことは、もう、誰にも分からないだろう。

 嵯峨野葉羽が何を思い、川に近付いたのか。

 嘉山の言うように、嵯峨野からのプレゼントを探していたのか。

 もはや時計さえ、何の証拠にもならない。

 似た時計、おなじ形の時計を、嵯峨野がそれと思い込んでいるだけかもしれない。
 自分が贈った時計が原因と知った嵯峨野が、そうではないと思い込むために、時計を手に入れる。
 絶対にありえないって話じゃない。

 それとも嵯峨野の言うように、嘉山を追って川に近付いたのか。
 けれど、もう、当人でさえ、本当にどうして川に近付いたのかなんて、わかりはしないだろう。

 それでも嘉山は、時計を見て混乱していた。 
 それが、その時計だと、彼は気付いたように見えた。

 だとすると、嵯峨野の言葉の方が、少なくとも真実らしくはあるのだろう。

「いつから、持ってたんだ?」

 嘉山はそう訊ねた。「あの日から」、と嵯峨野は答えた。




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