過去ログ - モバP「望月聖にプロポーズされた」
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105:名無しNIPPER[saga]
2016/06/26(日) 12:01:58.23 ID:E80jqYVso
「……ふふふ、いいです。分かってました」
鬱々とした空気を纏う橘が俺に背を向けたまま壁に指先を這わせ、なにかをなぞる。
「そうですよね。私、面倒くさいですよね。……えぇ、分かってます。分かってますよーだぁ」
「の」の字でもなぞっているのかと思えばよく見たら「乃々」の字だこれ。
森久保ぉ……。
「なんででしょうね。なんでなんでしょうね。名前で呼ばないでくださいを未だに引きずって今更言い出せなくなったところから失敗だったんですかね。……言えないじゃないですか、今更……ふっ」
穏やかな朝がぼそぼそと少女の陰鬱な声で汚染されていく。
「……だいたい私、悪くなくなくないですか。なくなくなくないですか。頑張りましたよ、私。頑張ってますよ。がんばります!じゃなくてがんばったんですよ」
ありすが勢い良く顔を上げる。
鋭い視線が俺を射抜く。
「―――もっと!甘やかして、褒めてくださいよっ!!おばかっ!」
褒めろ、甘やかせとキレられたのは人生でも初めてかもしれない。
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