過去ログ - モバP「望月聖にプロポーズされた」
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106:名無しNIPPER[saga]
2016/06/26(日) 12:55:30.31 ID:E80jqYVso
「いえ、その……分かっててやってますよね」
「……なんのこと、でしょう、か?」
体育座りで濁った目をした橘の頭を優しく撫でる掌。
割れ物を扱うような動きで掌は髪の毛を梳くように流れていく。
「……よし、よし。がんばりました、ね?」
「……」
橘は要求通りに褒めて、甘やかされていた。
同じ歳くらいの少女に。
望月聖に。
「泣いていいですか?」
「……どうぞ?」
俺を向いてそう告げるありすと、先んじてそれに答える聖。
もう既に半泣きだった。
そこまで橘がストレスを溜めていたとは思わなかった。
確かにストレスの溜まりやすい環境と仕事だ。
それにずっと気づかなかった自分が情けなくなって自然と項垂れる。
「ごめんな、橘」
「ちょっと待ってください。そういうヘビィな方向に話を進めないでください!」
「……大丈夫、です。分かってます、から」
聖が優しい微笑みを浮かべて再び橘の頭に手を這わせる。
「そりゃそうですよね!聖さんは間違いなく分かってやってますよね!?容赦なく潰しに掛かってますもんね!?」
「やっぱり歳の近い子の方が分かり合えるもんなんだよな」
「そういう意味では言ってないですっ!」
友人っていいものだな。
羨ましいものだ。
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