148: ◆m03zzdT6fs[saga]
2016/05/11(水) 04:47:55.51 ID:B4TJufEpo
『僕が夢に追いつくまでは、あなたのプロデューサーとして。そして僕が夢に追いついた後から、その先の未来全て――あなたの恋人として』
刹那、彼女の青い目から涙が零れる。しかし彼女は笑って。そしてとても嬉しそうに。
「はい……っ」
頷く文香さんの涙を僕は拭った。それからつないだままの手を見て、少しだけ恥ずかしくなって、でも嬉しくて、思わずはにかむ。
――万里にも思える夢、その第一歩。僕の目の前には追い求めている兎が居る。けれど、捕まえることはまだしない。
本当に、心の底から望んで再び、”二兎追い人”になったのだ。万里を踏破し、ずっと追いかけていた”兎”を捕まえるその時まで。
さあ。
『行こう、文香さん』
「はいっ」
傍に追い求める兎を携え、はるか遠くの兎を追う。遠くも近い”二兎追い人”の旅路が、今始まるのだ。
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