過去ログ - モバP「二兎追い人の栞」
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145: ◆m03zzdT6fs[saga]
2016/05/11(水) 04:45:09.64 ID:B4TJufEpo
「……お返事が、頂けるものと思っていたのに」

 そんな文香さんのつぶやきで、何もかも合点がいく。

(馬鹿、あーもう、この馬鹿野郎め!)
以下略



146: ◆m03zzdT6fs[saga]
2016/05/11(水) 04:45:42.03 ID:B4TJufEpo
『待ってください、文香さん。僕が、僕が夢を追って……文香さんに相応しい男になるまで。三年……いや、二年で成し遂げて見せます。必ず文香さんに釣り合ってみせます。だから――』

「……」

『待っていてはくれないでしょうか……っ』
以下略



147: ◆m03zzdT6fs[saga]
2016/05/11(水) 04:46:09.36 ID:B4TJufEpo
「……でも、待ちません。待てません。……どうか、一緒に居させてください、Pさん。アイドルでも、なんでもなります、あなたの傍に居られるなら」

 今にも泣きそうな表情で、彼女は笑う。

「……Pさんの人生が”本”だというのであれば。私が、”栞”になります。きっと、Pさんは……また無理をされるでしょうから。それなのに……待つなんて、見ているだけなんて、出来ません」
以下略



148: ◆m03zzdT6fs[saga]
2016/05/11(水) 04:47:55.51 ID:B4TJufEpo
『僕が夢に追いつくまでは、あなたのプロデューサーとして。そして僕が夢に追いついた後から、その先の未来全て――あなたの恋人として』

 刹那、彼女の青い目から涙が零れる。しかし彼女は笑って。そしてとても嬉しそうに。

「はい……っ」
以下略



149: ◆m03zzdT6fs[saga]
2016/05/11(水) 04:48:54.48 ID:B4TJufEpo
今回の更新は以上です。
残りはエピローグ部分のみですので、次回更新は明日明後日くらいに行えればと思います。
ありがとうございました。


150:名無しNIPPER[sage]
2016/05/11(水) 07:03:33.56 ID:ZoagFZy6o
おつー


151:名無しNIPPER[sage]
2016/05/11(水) 08:20:01.22 ID:KSz40oo9o
良いね良いね
一人前な彼の担当アイドルも気になるところ


152:名無しNIPPER[sage]
2016/05/11(水) 18:36:51.79 ID:pBYYTzssO
しかし全編通してみるとスキャンダラスな事務所だな
千秋さんは微妙なとこだが他はほぼ入社前からカップルやん


153: ◆m03zzdT6fs[saga]
2016/05/12(木) 02:48:19.40 ID:CcDOu7THo
□ ―― □ ―― □


『素晴らしかったです、文香さん』

以下略



154: ◆m03zzdT6fs[saga]
2016/05/12(木) 02:48:45.69 ID:CcDOu7THo
『思ったよりも、大変な道のりでしたね』

「……はい。でも、Pさんが……居てくれましたから」

『僕の功績なんてたかが知れていますよ。ほかのプロデューサー方が手伝ってくださらなければ、今頃どうなっていたか』
以下略



155: ◆m03zzdT6fs[saga]
2016/05/12(木) 02:49:12.01 ID:CcDOu7THo
『……僕は、果報者です。万里の道も苦じゃなかった』

 この一年半、ずっと文香さんと共に歩んできた。エンジニアとしても、プロデューサーとしても、一人の男としても。あらゆる場面で彼女が隣にいてくれ、支えてくれた。

 シンデレラガールズは急成長を遂げ、今や押しも押されもせぬ大プロダクションとなりつつある。在籍するアイドルのほぼ全員が開花し、あらゆるところで引っ張りだこなのだからそれも当然である。
以下略



156: ◆m03zzdT6fs[saga]
2016/05/12(木) 02:49:44.07 ID:CcDOu7THo
「社長から伺ってますよ。なんでも企業ページや基幹システムを全部組まれたそうじゃありませんか。しかもソースが見やすいしデザインもされている。エンジニアとしてはそれだけでついていく気になるってもんです」

 ……僕は、本当に果報者だ。心からそう思う。

『僕は感謝しています。社長に、同僚に、部下に。そして何より、文香さんに。ずっと僕を助けてくれた。アイドルになってまで』
以下略



157: ◆m03zzdT6fs[saga]
2016/05/12(木) 02:50:10.11 ID:CcDOu7THo
『文香さん』

「はい」

『家に帰ったら、読んでほしいものがあるんです』
以下略



158: ◆m03zzdT6fs[saga]
2016/05/12(木) 02:50:36.76 ID:CcDOu7THo
 僕と文香さんが出会う契機になったあのファンタジー小説。あれ以上のものは決して、今の自分には書けない。書く必要もない。だって――僕にとって、あれは王道ファンタジーの完成形なのだから。

 だからファンタジーは書かなかった。きっと、いずれ挑戦することもあるだろう。けれど今じゃあない。

 そんな時に、ふと考えたのが恋愛小説だった。理由は、とても単純だった。
以下略



159: ◆m03zzdT6fs[saga]
2016/05/12(木) 02:51:05.01 ID:CcDOu7THo
『――ようやく、終わります。”二兎追い人”の旅路が。やっと捕まえることができました』

「……はい。ようやく、捕まえてもらえるのですね」

『待たせました、文香さん』
以下略



160: ◆m03zzdT6fs[saga]
2016/05/12(木) 02:54:34.55 ID:CcDOu7THo
今回の更新でこの作品は完結となります。
元は去年の初夏に仕事の多忙で投げ出してしまった作品でしたが、何とか仕上げることが出来てほっとしています。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

次回作品については現状未定です。出来れば書きたいと思ってはいます。
以下略



161:名無しNIPPER[sage]
2016/05/12(木) 04:58:39.72 ID:W0KAIgHe0
社長:四十台手前ぐらい 人心を掌握する英傑

七人目の正直:三十代までは三年ほどで27歳ぐらい 社長にさえ楯突く気概のある正直者
 
凡人と第六感:大学の卒業後勤続七年で29歳ぐらい 非凡なる凡人
以下略



162:名無しNIPPER[sage]
2016/05/12(木) 06:38:43.55 ID:aLnvLkslo
待ってた甲斐があった面白かったよ乙
最後は人当たりの良い一人前な最初のプロデューサーか

というか"一"で完結……だよね?七人の侍方式でいくと
"零"は流石に無いか


163:名無しNIPPER[sage]
2016/05/12(木) 07:42:42.53 ID:xTF31zat0
おっつんおっつん



164:名無しNIPPER[sage]
2016/05/12(木) 16:02:06.26 ID:lUzy8Aza0
おつおつ
1人目ということはひょっとしてデレプロ設立前からの話が見られる…?
とにかく次作のあることを期待して待ってます
いつか読めれば嬉しい。


165:名無しNIPPER[sage]
2016/05/12(木) 23:15:54.55 ID:uG1AdzzSo
本当良い文章だなぁ
一人目の話待ってます


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