40: ◆m03zzdT6fs[saga]
2016/04/13(水) 03:29:30.84 ID:MBJxBtU4o
ただまあ、連絡が来てしまったものはどうしようもない。少々心の準備が出来ていなかったが、腹を決めて話を聞くことにしては、
『いえ、お話は伺っています。なんでも、ライター兼エンジニアを探しているとか?』
僕はそう答えた。じゃじゃ馬云々はとりあえず伏せておくことにして。そうでないと、もしかしたら編集長の立場が悪くなるかもしれない、とちょっと思ったから。
ところが、スマートフォンの奥から剛毅な笑い声が聞こえたかと思えば、
「わはは、そこまで知っていて平然としてられるのであれば、君はじゃじゃ馬なのだろうね? そして聡明だ。私にじゃじゃ馬云々の話を伏せておいた方がいいと判断できる程度には」
なんて、すっかり見透かしていたようなことを言われてしまい、対面しているわけでもないのに顔が少し熱くなった気がする。……電話越しで、本当に良かった。
その火照りを冷ますがてら、ゆっくりと歩きながら電話することにした僕は、本題を切り出した。そもそも、どういう用件であのような依頼を出したのか、と。
返ってきた言葉は、予想の斜め上だった。
「うむ、実は宣伝文句等も込みで、うちのホームページを作ってくれる人がいないものか探していてな。時間も報酬も融通を利かせることが出来るが、全部ひとりでやってほしいのだよ」
しばらく、開いた口が塞がらなかった。言われていることがどれだけ荒唐無稽なものか、相手は分からないのだろうか?
そのうえ、相手方は情報の追加と言わんばかりに言葉を接いで、
「ああ、うちの会社は芸能プロダクションだ。ついでに言えばアイドル専門にしようと思っている。本格的な始業予定は来年度からだが、稼働自体はもうすぐでね」
と付け加える。
165Res/170.71 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。