過去ログ - 小松伊吹「奏の撮影現場に潜入しよう！」 -SS速報VIP

過去ログ - 小松伊吹「奏の撮影現場に潜入しよう！」

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21:名無しNIPPER[saga]
2016/04/10(日) 23:52:00.03 ID:UOvrFsxxo
――六日後

P「今日は撮影本番だから、最終チェックは俺も立ち会うよ」

奏「ええ、お願いするわね」

22:名無しNIPPER[saga]
2016/04/10(日) 23:53:21.37 ID:UOvrFsxxo
ﾌﾞﾛﾛﾛ……

伊吹「そういえば、奏と個別に話し合ったって言ってたけど」

P「ああ」

23:名無しNIPPER[saga]
2016/04/10(日) 23:54:57.94 ID:UOvrFsxxo
P「――まったく、手がかかるんだかかからないんだか、良く分からん妹だよな」

P「まぁ、そういう掴み所がないのも魅力の一つなんだと思う」

伊吹「それはアタシもよくわかるなー」

以下略

24:名無しNIPPER[saga]
2016/04/10(日) 23:56:03.09 ID:UOvrFsxxo
ﾊﾞﾀﾑﾋﾟｯ

P「俺はこれから奏の控え室に行ってくるから、伊吹は撮影現場に行ってくるといい」

伊吹「アタシも行きたいんだけど、ダメ？」

以下略

25:名無しNIPPER[saga]
2016/04/10(日) 23:58:54.82 ID:UOvrFsxxo
ﾃｸﾃｸ

伊吹「失礼しまーす……」ｷｨ……

以下略

26:名無しNIPPER[saga]
2016/04/11(月) 00:01:47.59 ID:Ii/O1/MHo
「よろしくお願いします」

見覚えのある真紅のドレスを身に纏った少女が、聞き覚えのある声と共にやってきた。

しかし、伊吹はその人物が誰なのか、正確に認識できずにいた。

以下略

27:名無しNIPPER[saga]
2016/04/11(月) 00:04:43.44 ID:Ii/O1/MHo
そこはまさしく異世界だった。

現実世界に突如として現れた、おぼろげな光が差し込む水溜まりと、そこに佇む一人の少女。

滴り落ちる水、舞い散る朱の花びら、掲げた右手から垂れ下がった真紅のリボン。

以下略

28:名無しNIPPER[saga]
2016/04/11(月) 00:07:25.31 ID:Ii/O1/MHo
とりわけ魅せられたのは、彼女の目。

以前に行われた花嫁衣装での写真のときは、闇夜の中から恒星のごとき輝きを放っていた。

が、今は、その輝きは鳴りを潜め、そのまま浴びる光に溶けてしまいそうだった。

以下略

29:名無しNIPPER[saga]
2016/04/11(月) 00:08:34.79 ID:Ii/O1/MHo
（……？）

ふと、彼女の目が、薄暗い中に遠くで輝く橙色のシルエットを捉えた。

影の正体に気付いたのだろうか。一瞬、妖しい笑みを浮かべ――

以下略

30:名無しNIPPER[saga]
2016/04/11(月) 00:09:57.77 ID:Ii/O1/MHo
痛みは、なかった。

しかし、全身からは別の危険信号が発されている。

魔法に掛かった伊吹は、金縛りにあったかのように動けなくなってしまっていた。

以下略

31:名無しNIPPER[saga]
2016/04/11(月) 00:11:04.40 ID:Ii/O1/MHo
撮影は進むものの、月明かりは伊吹を照らしたまま縛り続けていた。

もう彼女が目を合わせなくなるまで、この魔法を解くことはできないのだと悟った。

伊吹は、まるで許しを請うかのように願う以外には、何もできなかった。

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