過去ログ - 【モバマスSS】双葉杏、王さまになる
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102: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/04/21(木) 19:52:30.61 ID:wvYa2Gcj0

 ブラシを入れ終わると、寝癖の無くなった髪をいつものように紐でまとめて。
 
 姿見の中には、さっぱりと小奇麗な頭になった私の姿。
 面白いのは、寝癖を直すだけでまるで別人のように印象が変わること。

 以前の私、野生児のように荒れた髪をしていた自分と比べれば、今の私は十分文明人。
 これで清純そうなワンピースの一つでも着て黙っていれば、それなりに育ちの良いお嬢様と言っても通じる……かもしれない。
 
 それからは二人で歯磨きしたり、制服に着替えたり。朝の身支度を終わらすときらりと二人、玄関に一緒に立って。
 
「これ、今日のお弁当。杏ちゃんの好きな物が一杯だからねぇ」

「うん。いつもありがと」

 きらりの用意してくれたお弁当を鞄に詰めると、二人一緒に家を出る。これが私の、新しくなった毎朝の光景。
 
===

 さっきも言ったけど、きらりとの生活は実によく馴染む。

 基本的には、私たちは仲の良い「姉妹」のようであったし、時には「夫婦」の、そして時には「親子」のような関係でもあった。
 
 それは多分に彼女の持つ「母性」だとか「包容力」によるところが大きかったのだけれど、
 元来寂しがり屋の甘えたがりだった私の中で、優しく包み込んでくれるような彼女に依存する割合が
 日に日に大きくなっていったのは、言うまでもなく予想がつくと思う。
 
 ……だからこそ、その後に来る二人の問題が、よけいにこじれた物になってしまったとも、言えるのだけど。


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