過去ログ - わたしのお家の天使ちゃん【オリジナル百合】
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1:名無しNIPPER[saga ]
2016/04/13(水) 15:50:23.85 ID:qye+XIKa0
「ただいま」

18:30 自宅の戸を開ける

職場を出たのは17:34 サービス残業やブラック企業などの労働問題が叫ばれる昨今、私は中々良い環境で仕事が出来ていると言えるだろう

戸を閉め鍵をかけ靴を脱ぎ始める、特筆することの無いいつものルーティーン、先ほどの「ただいま」に「おかえり」が返ってこないのもいつものこと

いや、「いつものこと」になったのは少し前からか

2ヶ月前、同棲していた相手が消えた 家の鍵と「あなたと結婚するイメージが沸かない」という書き置きを残して

「結婚しようって言ってたのに」とか「結婚するイメージって何?」とか言いたいことはあったけれど何より驚いたのは、私がこの事実をあっさり受け入れてしまったこと

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2:名無しNIPPER[saga ]
2016/04/13(水) 15:51:29.64 ID:qye+XIKa0
あの人のことは確かに好きだった、『だった』

今はもう「早く結婚して孫の顔見せて」って親に言われるの嫌だなとか、「私たち結婚しました」って友達からの手紙がそろそろ来るのかなとか、そんなことばっかり考えてる

あの人との楽しかった思い出なんてそれらに比べたらあまりにも薄っぺらで曖昧なモノ
以下略



3:名無しNIPPER[saga ]
2016/04/13(水) 15:52:52.34 ID:qye+XIKa0
「おかえりなさい!」

「は…… ?」

部屋の奥からぱたぱたという足音と共に聞こえてきた「おかえり」の声
以下略



4:名無しNIPPER[saga ]
2016/04/13(水) 15:53:37.42 ID:qye+XIKa0
「貴女誰? どうやってこの部屋に入ったの? て言うか靴だって無いけど、お父さんとお母さんは?」

「え、えっと……」

美少女は私の質問に対して困惑した表情を見せ、目をそらす
以下略



5:名無しNIPPER[saga ]
2016/04/13(水) 15:55:14.14 ID:qye+XIKa0
「せっかくのご飯が…… 冷めちゃいます……」

「…… わかったわ、まずはご飯食べましょう」

その瞬間美少女の笑顔が花開いた、ぱぁっと
以下略



6:名無しNIPPER[saga ]
2016/04/13(水) 15:56:42.11 ID:qye+XIKa0
「「いただきます」」

「はむ……」

「おいしい…… ですか?」
以下略



7:名無しNIPPER[saga ]
2016/04/13(水) 15:57:30.06 ID:qye+XIKa0
だが今の私はそんなことより気になっていることがあった、それは天使ちゃんが使っている食器が「あの人」の食器であることだ

「あの人」が居なくなってからずっと使ってこなかった食器、それを見ず知らずの子に使わせている その事実は私の心の奥にしまったはず気持ちを掻き乱すには十分だった

「ごちそうさま」
以下略



8:名無しNIPPER[saga ]
2016/04/13(水) 15:58:05.87 ID:qye+XIKa0
「貴女の本当の名前は?」

「答えられません……」

「どうやってここに入ったの?」
以下略



9:名無しNIPPER[saga ]
2016/04/13(水) 15:59:52.60 ID:qye+XIKa0
答えられませんの連発に思わず声を荒げてしまう、がやはり天使ちゃんが大声に怯えてる様を見ているとえもいわれぬ罪悪感が込み上げてきて、それ以上の詮索をやめさせてしまう

「…… じゃあこれからどうするつもりなの?」

「それなら答えられます、わたしここに住んでお料理とか、洗濯とか、お掃除とかしてお姉さんの心を癒します!」
以下略



10:名無しNIPPER[saga ]
2016/04/13(水) 16:00:57.60 ID:qye+XIKa0
「私が……? なにそれ意味わかんない」

「お姉さんの心はとっても荒んでて、乾いてます…… だから…… わたしがお姉さんの心を癒してあげたいんです!」

「……」
以下略



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