448:名無しNIPPER[sage saga]
2016/04/30(土) 18:19:50.70 ID:TBEaJjTa0
どこを見渡しても崩れた瓦礫だけ。大量のそれが堆く積み上がり、電柱や信号は折れ、車は押し潰されてひっくり返っている。
そんな夜道を歩きながらちひろは空を見上げた。砕いたダイヤモンドをばら撒いたような満天の星空が天高く広がっている。
南天にうっすら見えるアンドロメダ銀河。
449:名無しNIPPER[sage saga]
2016/04/30(土) 18:21:07.84 ID:TBEaJjTa0
ちひろ「……ね、プロデューサーさん」
ふとそう言ったが、腰に下げたデバイスから返事はなかった。
あの戦いの後、エックスは画面に姿を現さない。この中がどうなっているのかわからないためどうとも言えないが、恐らくは甚大なダメージが彼にも影響を与えているのだろう。
450:名無しNIPPER[sage saga]
2016/04/30(土) 18:21:36.41 ID:TBEaJjTa0
―――地下・避難シェルター
凛「ちひろさん」
451:名無しNIPPER[sage saga]
2016/04/30(土) 18:22:43.19 ID:TBEaJjTa0
ちひろ「まだお疲れみたいです」
凛「……うん。そうだよね」
452:名無しNIPPER[sage saga]
2016/04/30(土) 18:23:10.45 ID:TBEaJjTa0
ちひろ「みんなはどうしてますか?」
凛「配給の手伝いをしてる。私も戻ろうかな」
453:名無しNIPPER[sage saga]
2016/04/30(土) 18:23:42.10 ID:TBEaJjTa0
ちひろ「……状況が状況ですから、仕方ないですよ」
凛「そうだね。……じゃあ私は戻るから」
454:名無しNIPPER[sage saga]
2016/04/30(土) 18:24:10.94 ID:TBEaJjTa0
母親「ねえ、これだけしかないの?」
卯月「ごめんなさい。他の方の分もあるので、これで我慢してくれませんか?」
455:名無しNIPPER[sage saga]
2016/04/30(土) 18:24:38.53 ID:TBEaJjTa0
卯月「大丈夫ですよ」
少女の顔を覗き込んで、にっこりと笑いながら、彼女は言った。
456:名無しNIPPER[sage saga]
2016/04/30(土) 18:25:20.37 ID:TBEaJjTa0
母親「どうせまた出て来ても負けちゃうんじゃないの? まるで歯が立たなかったって聞いたけど」
卯月「そんな――」
457:名無しNIPPER[sage saga]
2016/04/30(土) 18:25:54.01 ID:TBEaJjTa0
卯月「……私たちアイドルがファンの皆さんに力を貰っているように、人と人は繋がって生きてます」
ぎゅっと胸の前で拳を握り、卯月は瞼を下ろした。
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