過去ログ - 唯「天使再来襲」
1- 20
19:名無しNIPPER[sage saga]
2016/04/17(日) 22:55:46.18 ID:skFt6CMPo

ざあざあざあ。
憂は洗い終わったお皿を水切りに並べていった。小さな水切りにはすでに乾いた食器が並んでいて、そこに今洗ったばかりの食器たちがうまい具合にあいだあいだに入ってきれいに積まれいていくのは、なんだか憂にしかわからない迷路をたどっているって感じだった。白い憂の秘密のお城みたいな。
きゅっ。
蛇口を閉じて、黄色いリラックマのタオルで水滴を拭ってから憂は言った。

「わたしね、ときどき、おねーちゃんが羨ましいって思うんだ、変なふうに思わないでね、おねーちゃんが新しいことを先にやるたび、わたしもね、あと一年早く生まれてればなあって」

「わたしも一年遅く生まれてれば憂みたいに優秀になれたかもって思うときある」

「あはは。たしかにね。あとに生まれてだめだめじゃないだけよかったかも」

「あーそれってさあー……」

「あ、ちが、ちがうの。おねーちゃんがだめってことじゃなくて!」

憂はあわてて首を振って、あんまり否定するもんだからまるで本当はそう思ってるみたいに見えるということに自分で気がついて、えへへと下を向いて笑った。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
84Res/114.89 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice