過去ログ - オッサン勇者と少女魔族が世界を旅する話
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35:名無しNIPPER[saga]
2016/04/25(月) 01:11:43.15 ID:OK3h9Lnco
(ダメだ。どこから攻めてもさっきの二の舞だ)

脳内で疑似戦闘を行い戦略を立てようとするが、先ほどの敗北を払拭できない。
幾度も薙ぎ倒され、蹂躙される自身が想像されてしまう。
動けないまま時は過ぎていく。警戒と殺気を濃く滲み出すことしかできなくなってしまっていた。
だがそんな勇者の行動を歯牙にもかけない様子で、魔王は笑みを口元に湛えたまま語りかけた。

「なにを、それほどに生き急ぐ。ニンゲンの短き畢生をさらに縮めてどうしようというのだ」

「てめェに応える義理なんてねェ」

「フフ、然り。だが、余に殺気を向けることができる者など、魔族にもわずかしかおらぬ。興味深くてな」

「はっ。人間界までやってこいよ。てめェを殺したいと思うやつ奴なんざ掃いて捨てるほどいるぜ」

「そうではない。余と対峙し、殺気を向けるに至る者など絶無に近い。
 殺意を向ける前に、大方逃亡するか喪神するほかないのだ。お前たちニンゲンよりも強靭な魔族であってもな」

「生憎、そんな我が身の可愛さを勘案する高尚な精神なんぞもってないんでね」

「破滅を望むとは。生命の根源を超越したのか、それともただの破綻しただけの存在なのか。
 ニンゲンとは、いや貴様は余にもわからぬ。フフ」



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