過去ログ - 『聖タチバナ』野球しようよ『パワプロss』
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◆ugYRSBAsKU
[saga]
2016/05/12(木) 03:36:56.32 ID:XtC/qHjt0
2-3/S.VS.S-1
(4/18)
珍しい試合だった。
あれだけ安打を積み重ねながら、一の数字が続くとは。
結局のところ試合は大差で終えたが、今思い出してみても不思議な心持ちになる。
―――そのようなことを、ふと思った。
そして即座に頭を切り替えると、眼前の敵へと集中する。
敵と言えど、ただのバッティングマシンだが。
「――――――」
隣から響く打球音を耳にしながら、憮然と無言で構える。
無機質なパノラマとの睨み合い。
時間にしておよそ二秒ほど。
投手の姿をした動く画像は、間を置いてモーションに入る。
ぎこちなさを感じるその動きは非常に単純なもので。
1、2、3と簡単なリズムだった。
所詮は機械なのだろう。
コンマ数秒が過ぎ去ると、
―――甲高い金属音と共に、白い軌跡が描かれた。
それの終着点は真っ赤な色をした円形状の的だった。
直撃音の後に、ポップなサウンドが鳴る。
ホームランを報せる音だった。
近くのネットには子供がいて、何やら驚いていた。
きっと聞こえてきたその音に心を擽られたのだろう。
しかし残念なことに、打った本人には感慨深いものなど微塵もなかった。
聞き慣れてしまったその音に、今更ながらはしゃぐような戦歴ではない。
が。
驚きも喜びもないにしても、スカッとした気分になったのは確かなこと。
なにしろ、今日の試合は出場することが出来なかったのだ。
実力不足というわけではない。その言葉を否定する証拠はちゃんとある。
一年にして西強高校で四番を務め、直近の試合でも抜き出た成績を収めているのだ。
監督の信頼も既に厚い。では、なぜ今日は出場できなかったのか?
清本和重と、とある人物達を除いた一年防の実力を確認するためと監督は言っていた。
それに、清本は納得していないわけじゃない。
ただ、試合を見ているだけというのは溜まるものがある。
その溜飲を下げるため今こうしているのだ。
『……すげぇ』
幼い声が響いた。
心底、その声は驚き、感心していた。
その最中、豪快なスイングと共に、心地よいインパクト音が連続する。
生きた動物のように空を走る白球の姿があった。
惚れ惚れするような光景が、少年の脳髄に刻まれる。
対して清本は少年からの熱視線を受けながら、気にもすることなく黙々と打ち続けた。
―――かつて見た、理想を追い求めながら。
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