過去ログ - 『聖タチバナ』野球しようよ『パワプロss』
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◆ugYRSBAsKU
[saga]
2016/05/29(日) 00:05:13.17 ID:MW0ksQI30
■■■
二十球の戦いが、二度行われた。その全打席から目が離せなかった。
少年にとって、そこに立っていた青年はテレビに映るヒーローのようにも見えた。
見よう見まねで青年と同じようなフォームで打ってみようと思うも。
ボールは掠りもせず、バットは空を切る。
背後からは、ボールがゴム板を叩く音が聞こえた。
悔しさを抱き、今一度、バットを振ってみるものの。
キンッ、と擦れる音が聞こえた。
その、瞬間のことだった。
角度を変えた白球が向かう先は、残念なことに少年の下だった。
脛の辺りから、鈍い痛みが走る。軟球故に、痛みはそれなりだが、痛いものは痛い。
痛覚を刺激される当時に、再び悔しさが募る。
―――そして、だ。
もう一度だけ、もう一度だけ―――と。
青年が魅せた、あの姿を見てみたいと思った。
が。
ちらりと後ろを見てみれば、缶ジュース片手にベンチで寛いでる姿が見える。
もう終わりだよ、と告げられているようで。
ゴム板を叩く音と共に、小さな溜息が溢れた。
―――とある一人の青年がやって来たのは、その時だった。
その人物は疲れたような顔をしていて、気力というものが感じられなかった。
そのせいか、背丈はかなりあるのだが、それにしては小さく見えた。
また、彼はさっさとメダルの購入をすませると、先程もう一人の青年が立っていた場所へと赴く。
当然だが、少年の隣からは錆び付いた扉が開く音が聞こえる。
誰だろう、と少年は思った。当然知っているわけはないのだが。
そんな疑問を抱いている間に、青年はさっさとメダルを突っ込む。
そして、彼は構えた。
その構えは嫌に落ち着いていた。
まるで何度も同じことを繰り返してきたかのように。
悠然と、あるいは自然と。
とにかく、青年が野球というスポーツの経験者であることが伝わってくる。
……もう一度、あの人が打ってくれないかと思いながらも
少年も少しだけ期待をした。
■■■
―――そうして、ささやかに短し時は過ぎ。
パノラマに映る機械人形は、無骨なモーションを終え。
其は確かに放たれ―――た。
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