過去ログ - 『聖タチバナ』野球しようよ『パワプロss』
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23: ◆ugYRSBAsKU[saga]
2016/06/20(月) 00:55:15.24 ID:k7TfYqLH0
     ■■■

 その影が横を通り過ぎたとき。
 あるいは面立ちが視界に映ったとき。
 そうではないのか、と思った。
 しかし思い違いでははないのかという気持ちもあった。
 が、それは杞憂だった。
 無駄ない構えから走る金属のそれは滑るように空を切ると。
 心地よい快音と共に、すぐにでも鋭い打球が飛んだ。

 グンっと伸びる白い球は一直線に上へと向かう。
 翼が生えたかのように、どこまでも遠くへ行ってしまうかのように。
 ただ、ただ空を駆ける。
 その美しい軌道に、そして清と佇むスイング後の脱力した姿には。
 思わず見惚れてしまいそうで。
 過去の断層に飲み込まれてしまいそうだった。

 ……ああ、そうだ。
 確かにこれは間違いではない。
 たった今、バッターボックスに構える人影に確信を持った。
 
 ―――ではどうするのか?

 はっきり言ってしまえば、よく分かっていなかった。
 ただ、椅子から立ち上がり。その足は本能的に進んでいた。
 ……ああ、自分の意志があやふやなまま進む。
 結局、どうしたかったのか。
 それを理解できたのは、その男の前に立ってからようやく理解できた。
 


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