過去ログ - 八幡「別にいらねねぇよ、本物なんて」
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1:名無しNIPPER
2016/04/22(金) 09:05:42.38 ID:AWm0aoCB0
平塚「どうして学校に来ない、比企谷」

自宅にかかって来た電話は、生活指導の平塚からのものだった。

八幡「うちの学校、テストさえ点数取れてれば出席あんま関係ないでしょう」

平塚「確かにそうだが、しかし……」

俺は何も言わずに次の言葉を待つ。しかし煙草を吹かすような吐息が聞こえてくるだけで、いつまでたっても
平塚は口を開こうとはしない。

八幡「……用事がないなら切りますよ」

平塚「いや、待て。とりあえず今から学校に来なさい」

どうやら交渉を諦めたようだ。

八幡「まぁ別にいいですけど」

平塚「ず、随分と素直じゃないか」

八幡「はぁ、別に行きたくないわけではないですし」

実際、俺は引きこもっているわけではない。学校がつまらないから行かないだけだ、一人で外に出もするし、
体も鍛えるし、文句を言われない程度に学力もつけている。

平塚「それじゃあ来たらまず職員室に寄りなさい、いいかね?」

八幡「わかりました」

受話器を戻して顔を洗ってから、前回の定期テスト以来袖を通していなかった制服を着て、仏壇に手
を合わせる。

八幡「行ってくるよ」

当然、返事はない。もう慣れたけどな。
家を出る直前、飼い猫のカマクラがどこからともなくやってきて体を摺り寄せる。俺が出かけるときは
いつもそうだ。

八幡「大丈夫だ。ちゃんと帰ってくるよ」

そう言って頭を撫でてやると、カマクラは『みゃぁ』と声を漏らした。一瞬だけ頬が緩んだのを感じてから、
俺は扉を開いた。

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