過去ログ - サザエ「そして誰もいなくなったのね」
1- 20
112: ◆5o0gtk7tVI[saga]
2016/05/03(火) 03:29:44.83 ID:BtC+c+Xt0
私は当初の計画通り、海平としてこれからの人生を生きるため、マスオ以外の全ての死体を館に集めた。
まず、それぞれの指を徹底的に焼き、指紋を潰した。それから歯の治療痕等を消す目的で、全員の頭部を粉砕した。何度も何度も殴って、かなり疲れた。

ちなみに全員に同じことをしたのは、私が入れ替わりを画策していることを隠すためだ。それから、指紋を焼いたことを隠すために、順番に全身ごとを焼いた。

指になくとも、建物の中から指紋はいくつも出るだろうし、警察が怠慢でなければ海平兄さんの指紋も必ず見つかる。けれどそれで問題なかった。伊佐坂先生はこれまでに多くの人間をここに招いている。もはや、指紋などは関係ないのだ。ダメ押しの事実として、海平は一度この館の見学に来たことがある。そもそもわたしたちが洞窟の存在を知っていたのは、一度訪れた海平から事情を聞いていたからなのだ。

いよいよ全員の焼却作業が終わり、わたしはこの手記を記している。

計画はすべて、子を望めないわたしを裏切り、私と瓜二つの兄と契りを結んだあの薄汚い女と、その子孫、並びに弟の妻に手を出した不貞な兄を抹殺するためのものである。

私は、あの時芽生え、未だ衰えない好奇心に任せてこの証拠文書を書いている。書き終えたら壜につめて海に流すつもりだ。
これから、己を捨て、海平として生きる退屈な人生を思うと、それくらいのスリルはありがたかった。

さて、もうすべてを記した。

私は海平のボートを使って、夜中にでもこの島を離れ、彼の住まいである福岡に戻ることにする。




磯野波平


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
120Res/64.13 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice