過去ログ - サザエ「そして誰もいなくなったのね」
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◆5o0gtk7tVI
[saga]
2016/05/03(火) 03:29:44.83 ID:BtC+c+Xt0
私は当初の計画通り、海平としてこれからの人生を生きるため、マスオ以外の全ての死体を館に集めた。
まず、それぞれの指を徹底的に焼き、指紋を潰した。それから歯の治療痕等を消す目的で、全員の頭部を粉砕した。何度も何度も殴って、かなり疲れた。
ちなみに全員に同じことをしたのは、私が入れ替わりを画策していることを隠すためだ。それから、指紋を焼いたことを隠すために、順番に全身ごとを焼いた。
指になくとも、建物の中から指紋はいくつも出るだろうし、警察が怠慢でなければ海平兄さんの指紋も必ず見つかる。けれどそれで問題なかった。伊佐坂先生はこれまでに多くの人間をここに招いている。もはや、指紋などは関係ないのだ。ダメ押しの事実として、海平は一度この館の見学に来たことがある。そもそもわたしたちが洞窟の存在を知っていたのは、一度訪れた海平から事情を聞いていたからなのだ。
いよいよ全員の焼却作業が終わり、わたしはこの手記を記している。
計画はすべて、子を望めないわたしを裏切り、私と瓜二つの兄と契りを結んだあの薄汚い女と、その子孫、並びに弟の妻に手を出した不貞な兄を抹殺するためのものである。
私は、あの時芽生え、未だ衰えない好奇心に任せてこの証拠文書を書いている。書き終えたら壜につめて海に流すつもりだ。
これから、己を捨て、海平として生きる退屈な人生を思うと、それくらいのスリルはありがたかった。
さて、もうすべてを記した。
私は海平のボートを使って、夜中にでもこの島を離れ、彼の住まいである福岡に戻ることにする。
磯野波平
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