過去ログ - 幸子「ドリーム・ステアウェイ」 みく「イントゥ・ヘル」
1- 20
41: ◆.nnFO3p0tfz9[saga]
2016/04/25(月) 01:47:27.05 ID:H2GDRAmmO
監督「それじゃあ後半入るよー、まずは逃げるシーン、早速特撮で行くよー、はい!」




 逃げ惑う――そうとしか言いようのない、逃走劇。
 人の間をすり抜け、教室に飛び込み、ベランダを馳せ、非常階段を駆け上がる。
 時には柱の陰に隠れ、或いは階段の手すりから遥かに跳躍し――東郷あいは、輿水幸子と前川みく、二人を抱えて走っていた。

「わ、揺れる、揺れ、うひゃ、ひゃあああああぁっ!?」

 珍妙な悲鳴を上げる幸子をよそに、何も言わずひた走るあい。
 最終的に辿り着いたのは、体育館、ステージ裏の倉庫。ガラス窓をぶち破って飛び込み、転がるように、跳び箱類の裏に隠れた。

「……ふぅ。良かった、彼女はまだ本気じゃないらしい」

 安堵の溜息を吐き、額に滲んだ汗を拭うあい。その横で、ずっと口を開かずにいたみくが、やっと声を出す。これまでせき止められていた分が、感情と共に流れ出すような――殆ど、それは叫び声にも近かった。

「なに、これ、なんなの……ねえ、何が起きてるの!? あなた誰!? なんで美嘉ちゃんが、幸子ちゃんに、あんな――!」

「ま、前川さん、声を抑えて……!」

 幸子が、みくに飛び付き、口を手で塞ぐ。それで現状を思い出したか、素直にみくは言葉を止めたが、わからないもの≠ヨの敵意の視線は、全く薄れていなかった。

「何が――君が、それを聞く必要は無い筈だ。私の姿が見えているんだろう?」

「……っ、ふざけないで。みくは真面目に聞いてるの!」

 声量は控えたが、語気にはまだ棘が残る。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
114Res/97.08 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice