過去ログ - 【モバミリクロス】 双葉杏は、お姫さまになる
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222: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/05/23(月) 18:11:46.96 ID:8/65WS+P0
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 ――真上に広がる青い空は、雲一つなく晴れ渡り、
 その下にある大地も、空と同じよう際限なくどこまでも広がっているようだった。

 季節は夏、八月も半分を過ぎた頃である。
 
「あぁ、ダメだよきらり。これ以上は、もう一歩も前に進めない」

 そんな大地に伸びる一本の長い道を歩く、二つの人影。
 一つは小さく、一つは大きく。
 
「ちょ、ちょっとちょっと杏ちゃん! こんなところで転がっちゃ、お洋服も汚れちゃうし、
 大変でもちゃんと歩いて行かないと、いつまでたってもお家につけないにぃ!」

 歩き疲れたのか、突然地面に転がり出した杏と呼ばれた小さな少女を、きらりと呼ばれた大きな少女が抱き起す。

 
「よくよく考えてみたんだけど、やっぱりIMFのチケットだけを郵送したのでよかったことない? 
 杏は向こうのことが苦手だし、直接会って手渡す必要、ないじゃんか」
 
「だからぁ! それも出発する時に散々説明したでしょー? 折角のいい機会なんだから、
 杏ちゃんの晴れ舞台を見に来てもらうその前に、立派になった自分のことを見せるんだーって!」

「そ、それこそホントに必要ないじゃんか。どうせ私はあの人の中じゃ、未だに『悪い子』のままのハズなんだし」

 小さな少女が不満げにそう言うと、大きな少女は腰に手を当てて彼女を見下ろす。


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