23: ◆9W6PAVDo7.[saga]
2016/04/30(土) 04:43:32.41 ID:77Cq9KNC0
放浪者達が赤川総合病院についたのは、昼前ぐらいの時間だった。中に入った大きなホールは、明かりが消えているせいか薄暗い。非常灯自体は光っていることから、電気自体はまだ生きているようだ。恐らく、病院自体に備えられた非常用の電源装置がまだ稼働しているのだろう。
探索組を複数の班に分けて行動を開始した。集団で行動するのが安全なのは基本だが、屋内についてはそれは少し話が変わってくる。下手に固まっている方が自由に動けないことや、探索範囲を決めやすい屋内なら、分けて動いた方が効率が良い。汚染度が高い病院を探索するなら、短時間で済ませられた方がいい。今回はそう言う判断だ。
そんな兼ね合いもあり、メンバー全員が二重でマスクをして、使い捨てるための手袋を着用している。本来なら防疫服がベストに違いない。だが、そんなものを用意できるはずもなく、考えられる範囲での対策がその2つになる。
放浪者、山中、一ノ瀬の三人が正面左手側の廊下を進む。この3名はゾンビ化現象に関しての情報があると思われる施設や場所を回る役割だ。残りのメンバーは重要度の低いところを回り、安全確保と物資収集を行う手筈となっている。
薄暗く、視界が悪いところにはケミカルライトを折って投げ捨てる。懐中電灯を使って視界を確保するのも手ではあるが、その明かりに反応して何かしら襲われる場合も多い。明るさはそこまでではないが、手元から離れてもしばらくの間は発光し続け、視界を確保できる意味ではケミカルライトは非常に有効だった。
今向かっているのは、病理検査室と呼ばれる場所だ。患者がどういった病なのかを特定する所であり、最も惨劇初期の頃の情報があるはずと、一ノ瀬が強く説明した所でもある。
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