過去ログ - これから日記を書く 五冊目
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36: ◆9W6PAVDo7.[saga]
2016/05/01(日) 03:26:37.06 ID:C67B//WT0
責められることを覚悟していたロバートは、そのまま立ち尽くすしかなかった。自分の言葉を信じてもらえなかったのか、放浪者の素振りを見て、彼はそう思うしかなかった。

「多分だけどさ」

いきなり声をかけられて、全身が飛び跳ねるようにロバートが動くのを見て、何してんのあんたと呆れてから。

「あれが、あの人なりの気の使い方なんだと思うよ」

放浪者もどちらかといえば不器用な分類に入り、気の利いた言葉を言えるような人間ではない。まだ、ロバートが原因かどうかはわからず、可能性でしかないというのも、遠回しに自分を責めるなと告げているようなものだ。

とはいえ、放浪者の中では現在活動しているWWPが、意図的にこの状況を作り出したと考えていることもあり、言うなら要因としてロバートが絡んでいるとしても、原因はWWPを動かしている人間であって、ロバートが自分を責める必要はないと考えたのは、事実だ。

「…、前はき、君に、殺されるかと思ったよ」

そんなこともあったねぇと、少し苦笑いして千護は思い出す。彼女は、放浪者と違ってそれを聞いて冷静ではなかった。彼の首を絞めながら壁に押し付け、呪いのような言葉でロバートをこき下ろした。どう間違えなくても、頭が冷えなければ、あのまま彼を感情のままに殺していただろうと、千護は思う。

だが、千護にとっては、直接的な原因ではなかったにしても、ロバートが要因を持つこと。そして、仲間の隊がこのことで死んでいったこと。それらを思うと、許すわけにはいかなかった。だからこそ。

「でも、あんたがこのことを解決するまで、ウチはあんたに付きまとうよ」

「う、うん。よろしく…」

目の前の男に贖罪をさせるまで、ずっと一緒に居続けることを決めたのだ。


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