過去ログ - これから日記を書く 五冊目
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922: ◆qpy8JxeyQs[saga]
2016/09/09(金) 02:25:33.75 ID:vrRtHUcG0
今日も晴れ間が続いている。積もっていた雪もだんだんと高さを失い、移動に関しては問題は出なくなってきている。もっとも、予測できない路面状況となる冬場に置いて、各個が自転車で移動するのは転倒の可能性もあって徒歩での移動がもっぱらだ。

そんな中、放浪者はフロートボード・サンダーボルトで移動している。偵察活動が主な役割だが、それ以外にも負傷者の緊急搬送や、強力な変異体や敵と対峙した際の対抗手段にもなる。ただ、移動面ではどうしても彼だけが厚遇であるということは否定できない。

もっとも、そのことをメンバーが口を出すことはない。放浪者が今まで拠点における功績の数々を考えれば、それはむしろ当然とも言えた。彼抜きで今の拠点の繁栄があったかと言えば、ほぼ間違いなくあり得ないと答えることになるだろう。

しかし、放浪者自身はそれを良しとはしていない。自分が恵まれ続ければ、いずれ不和を生み出すきっかけになる。そして、何より移動だけでメンバーの体力と時間がとられてしまうことが、今表面上に起きている問題だ。

解消する案についてはいくつか考えてはいたものの、これといった具体的な案は思いつかずに彼はいる。

「(…ダメだな。今は任務への集中だ)」

現在、彼は山中と共に玩具を取り扱うおもちゃ屋に訪れていた。活動に直接かかわる物資がある訳ではないが、拠点や研究所にいる子供達の為の娯楽探しだった。ただ、少々扱いに難儀する年の頃合いである子供達が、何だったら喜ぶかは放浪者には少し難題だった。

列車を連結させて動かすオモチャを手に取ってみたが、勝と文彦はもう遊ぶものではないなと思い、棚に戻す。手前で手が止まった。もう一度、箱の中身とパッケージの裏側を見てから、ある一つの案が思いつく。

「それも持っていくんですか?」

いつの間にか横にいた山中に声をかけられて、放浪者は驚きもせずに、これに乗るだけだと答えた。


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