過去ログ - 藤原肇「しんしんと、あたたかい夜に」
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22:名無しNIPPER[saga]
2016/04/30(土) 10:31:54.14 ID:O3uXh0RPo
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あれから降雪は弱まる様子が見られない。
車掌からの心遣いで、夜の便の為に積み込まれていた弁当が乗客へ振る舞われた。

 「旨かった」

 「得しちゃいましたね」

食堂車に集まる客の様子も様々だ。

のんびりと文庫本を捲る老婦人。
頭を掻きながらどこかと通話するスーツ姿の男性。
我関せずとはしゃぎ回る子供の姿――

 「……」

家族連れに人気の列車なのだろう。
小さな子供達の姿は多く、夕食後の時間を持て余しているようだった。
いつまでも雪の中で遊べる訳でもないし、どうしようも無い事ではあるのだが。

 「……」

車内を走り回ってご両親に窘められる男の子。
窓の外の暗闇を不安そうに見つめる女の子。
肩身の狭そうな父親に抱えられる、先程まで泣いていた赤ん坊。

 「…………肇」

 「はい」

 「まだ、元気はあるか?」

 「……? ええ、ゆっくり休めましたから」


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