過去ログ - 一夏「あれ? 太った?」
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23: ◆iIsZzNIzns[saga]
2016/05/09(月) 23:54:47.00 ID:FAWlJ3Xr0
― 学園内 一夏 自室 ―


部屋に帰り、シャワーを浴びてくつろいでいたとき、一夏はキィという小さなもの音を耳にした。
気になった一夏がそちらを見てみると、いつ入って来たのか、部屋の中に一人の人間が、立っていた。

力なく脱力した体躯は小柄。
顔は……俯いているために影でよく見えない。
体からは陰の気というか、息苦しくなるような何かを発している。
そして何より、手には輝く抜き身の剣。

…………ん?

一夏「ん? え? 剣?」

一夏は何か恐ろしいものに飲み込まれて、引きつったような返事しか返せない。

近づいてくるその姿は明らかに鈴なのだが、あまりに普段と違い過ぎる。

一夏が固まっていると、それがゆっくりと、ゆらりゆらりと物音一つ立てずにこちらに近づいてきた。
一歩、また一歩。
その光景を見て、一夏は昔見た井戸の中から出てくる女のホラー映画の一場面を思い出した。

蛇に睨まれた蛙のように動けない一夏の前に、静かに鈴が立った。

――そして、見せつけるようにゆっくりとその手の中の剣を振り上げる。

鈴「いぃぃぃちぃぃぃかぁぁぁぁ〜〜〜〜っ」

問答無用の白刃一閃。振り下ろしの斬撃が一夏を襲った。

一夏「うわぁ!?」

自分の悲鳴と同時、ビュッという恐ろしい音が目の前を走り、ベットに刺さる瞬間を一夏は見た。

一夏「い、いきなりどうしたんだよ!? 鈴っ!」

明らかに殺す気の一撃を、一夏は何とか避けた。
それは織斑一夏個人以前の、男の本能が事前に一夏に急を告げていたからに他ならない。

鈴「あんたって男は……!」

一夏「……男は?」

鈴「何人の女を弄べば気が済むのよおおおおお」

一夏「だからどういうことだよ!?」

やたらめったら剣を振り回す鈴。
必死に逃げ回る一刀。
勿論部屋の中は滅茶苦茶になっていくのだが、そんなことより今は自分の命が惜しい一夏であった。

鈴「追い詰めたわよ……この女の敵っ!」

逃げ回ること数分。その言葉の通り、一夏は部屋の隅に追い込まれてしまっていた。

鈴「安心なさい。あんたを殺して私も死んであげるから」

うふふふふと、じりじりとすり足で距離を詰めてくる鈴に対して、一夏に逃げ道はない。

――正に危機一髪、今にも鈴が斬りかかってくるというタイミングで、一夏にとっての救世主が現れた



簪「はぁはぁ、待って! 誤解なんです!」


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