29: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2016/05/05(木) 12:41:14.57 ID:CGnHuaAk0
「……なんだか、意味深ですね」
プロデューサーさんもその意味に気付いたようで、なるほどな。と小さく呟きます。
「アイドルは楽しいか?」
楽しいかと問われれば、毎日が目まぐるしく、そんな事を考える暇が無かったと気付きました。
それでも不思議と辞めたいとは思ったことがありません。
その言葉にプロデューサーさんは満足そうに頷きます。
「なら、肇の事はどう思う?」
ちらり、とプロデューサーさんが離れたところで本を探している肇さんに視線を移します。
肇さん……情熱的な方だと思います。
自分のイメージするアイドル像へ近付く為に、妥協をしない……彼女の世界はとてつもなく広いものだと思いました。
差し伸べられた手を掴み、この世界へ踏み入れた私にとって、自らの意思で、行動で、この世界に飛び込んだ肇さんを眩しく思い、目が眩んでしまいます。
そうか……とプロデューサーさんは少し考え込み、私に小さなメモを渡しました。
中を見てみると明日の日付と、時間とAレッスン室と書かれています。
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