過去ログ - 岡崎泰葉「またひとつ、花は咲く」
↓ 1- 覧 板 20
2016/05/07(土) 13:35:08.57 ID:zuGZt37lO
  
 ぷしゅ、と、電車が止まる。2人が振り向く。 
  
  
  
17: ◆5F5enKB7wjS6[saga]
2016/05/07(土) 13:37:01.80 ID:zuGZt37lO
  
 ――ドア越しに手を振ってくれている。 
  
  
 私も小さく振り返し、離れていく親友たちの顔を見つめた。 
18: ◆5F5enKB7wjS6[saga]
2016/05/07(土) 13:39:55.89 ID:zuGZt37lO
  
 携帯を取り出し、ロックを解除する。 
  
  
 待ち受け画面には、ライブの後に撮った写真が表示されていた。 
19: ◆5F5enKB7wjS6[saga]
2016/05/07(土) 13:41:29.13 ID:zuGZt37lO
  
  
 ――― 
  
  
20: ◆5F5enKB7wjS6[saga]
2016/05/07(土) 13:43:18.72 ID:zuGZt37lO
  
 もう、無理かな。 
  
  
 いい加減私にも消費期限が来る頃。むしろ、こんな小娘がよく10年も芸能界に身を置けたものだ。 
21: ◆5F5enKB7wjS6[saga]
2016/05/07(土) 13:45:37.66 ID:zuGZt37lO
  
 私はなにがしたかったの? 
  
  
 なんのために、誰のためにお仕事を頑張ってたんだっけ? 
22: ◆5F5enKB7wjS6[saga]
2016/05/07(土) 13:48:41.96 ID:zuGZt37lO
  
 ――改札を通り駅を出て、てくてくと夜道を歩く。 
  
  
 ひと気もなく、いつもなら頼りない街灯がちらちらと照らすだけの静かな道。 
23: ◆5F5enKB7wjS6[saga]
2016/05/07(土) 13:51:15.84 ID:zuGZt37lO
  
 歩道橋を渡る。もうすぐお家。 
  
  
 より一層夜空に近づけた気がして、ふと橋の途中で足を止めた。 
24: ◆5F5enKB7wjS6[saga]
2016/05/07(土) 13:54:46.04 ID:zuGZt37lO
  
 「――小さな、光を。胸に抱いて……」 
  
  
 震える声で、今日のワンフレーズを歌う。 
25: ◆5F5enKB7wjS6[saga]
2016/05/07(土) 13:56:20.70 ID:zuGZt37lO
  
 色とりどりの花畑は、まだまだ数を増やしていく。 
  
  
 今日もまたひとつ。 
33Res/16.61 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 
板[3] 1-[1] l20 
	このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
	もう書き込みできません。