過去ログ - 玉城「やーめた」
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1:名無しNIPPER
2016/05/07(土) 16:50:09.28 ID:ShRVjnJJ0


V.V.「どうしたのまた」

助けを求めた俺のことを半目で見つめてるのは足首まで伸ばした金髪が目につく外国人の少年だ。
これで定年向かえてるような年寄りだそうだから本当は少年じゃなく老人なんだけどどういう体の構造してるんだろ。
この爺さん、商社勤めだった俺の祖父さんがブリタニアのペンドラゴン支店に勤務してた時に
命助けたことが切っ掛けで友情を築いたとかなんとかで俺んちとは昔から付き合いがあって
いまは実家を追い出された俺の身元引受人なんかやってくれたりしてる。

玉城「面接落ちた」

V.V.「おめでとうシンイチロウ これで25回目だから丁度君の年齢と同じ回数になったね」

玉城「スゲーだろ コンビニ 建築 商社 公務員 一通り全部駄目だったんだぜ」

V.V.「すごいねーそれ なかなかいないねー」

玉城「つまりこれはもう俺には就職するの無理ってことなんだよ」

すっ
手を伸ばした爺さんは無言でポットのお湯をついでる。
湯飲みの中身は梅昆布茶。

V.V.「ずずっ ふぅ 熱いお茶がおいしいねー  ――――で? だから僕にどうしろと?」

玉城「うむ つまりここは一つ爺さんのコネを使わせてもらい──」

V.V.「なんだって?」

玉城「だから爺さんのコネ――」

V.V.「年のせいか最近耳が遠くなってきてね」

茶菓子の羊羹を楊枝ぷすり。
口に放り込んでまた梅昆布茶をひとすすりする爺さん。

V.V.「面接官の返しが気に入らなかったからって横柄な態度と言動で相手の心象悪くしておいて自分から落とされることを希望したおバカな子が僕になんだって?」

玉城「・・・・・なんもねーよ」

自分でなんとかしろってんだろちくしょーが。

V.V.「言わなくてもわかってるじゃないか 世の中そんなに甘くないんだからあわよくばなんて考えは持つべきじゃない」

玉城「でもよーちょっとくらい助けてやろーとかいう気にはなんねーの? 俺ってかわいー孫みたいなもんだろ?」

V.V.「自分から口走るかねそんなこと まあ僕だって高校卒業からこのかた遊び呆けていたシンイチロウのことを亡くなった君のお祖父さんから頼まれた以上は恩返しの意味も込めてきっちり面倒見るけど」

玉城「恩返しなあ」

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