過去ログ - 佐久間まゆ「白くて苦い……」一ノ瀬志希「Love Potion♪」森久保乃々「えっ」
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◆Freege5emM
[saga]
2016/05/15(日) 19:29:55.10 ID:NK3nDXGso
志希さんは、落ち着いた口調で――しかし、明らかに怒っていました。
それは、態度の煮え切らないまゆさんか、
惚れ薬実験を邪魔立てするもりくぼへ向けたもの……かと思いましたが……
「だ、だから惚れ薬とか、そういうのは……」
「止めないで、もりくぼちゃん。プロデューサーは、まゆちゃんの惚れた弱みに漬け込んで、
まゆちゃんのアイドルとしての才能をいいように使い倒してるんだ……」
「し、志希さん、まゆは、アイドルをやらされてるなんて思っては……」
「じゃあプロデューサーは、まゆちゃんの告白を何て言って断ったのさ」
まゆさんは言葉をつまらせたまま、あのとろんとした目周りを引きつらせました。
もりくぼが電話でプロデューサーさんと話した内容に、間違いが無いとすれば……。
「プロデューサーとアイドルだから……そう、言ったんですか……?」
「どーせそんなトコロだと思った。オカシイでしょ。誰がアイドルをやらせてるんだって」
志希さんは、白衣をごそごそ探って、指先でつまめるほどの小さな薬瓶を出しました。
濃いセピアの遮光ガラスごしなのに、べったりと重そうな液体の白さが見て取れました。
まゆさんの視線も、明らかにその薬瓶へ吸い寄せられていました。
「これが志希ちゃん謹製、おバカさんにつけるクスリだよ」
「まゆが、これを飲ませたら……プロデューサーさんは」
「コレにまゆちゃんの香りを吸わせて、
あの分からず屋の脳下垂体をいじいじしてやれば……ふっふー♪」
「ダメです、まゆさん……!」
窓を開けて薬瓶を夕闇へ投げ捨てたく……なったのを、
もりくぼは、やっとの思いでこらえました。
「人の気持ちを薬でなんて……やっぱり、いけないと思うんです……」
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