過去ログ - 佐久間まゆ「白くて苦い……」一ノ瀬志希「Love Potion♪」森久保乃々「えっ」
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47: ◆Freege5emM[saga]
2016/06/06(月) 01:46:02.22 ID:a9zWnqM0o



「そんなこと……あ、あり得ないですっ」

もりくぼは、気づけば――まゆさんよりも先に――否定の声を上げていました。



「あ……いや、もちろん、もりくぼがその場に立ち会ってたわけないんですけど……」
「ま、証拠は無いよね……逆に、あったら志希ちゃんもプロデューサーも困っちゃうよ」

志希さんが『イケないコトだしー』
と聞こえよがしにつぶやきました。



「でも……そう考えると、しっくり来るでしょ」

志希さんは、物分りの悪い子に向かって諭すような声音を使います。
白衣を羽織っているせいで、理科の先生みたいです。



「あの頃のプロデューサーは、あたし以外ロクなアイドル担当いなくて、
 オーディションでもいい子捕まらなくって、
 あたしと仕事中だってのにプロデューサー自ら街中でスカウトかけてたぐらい、切羽詰ってた」

志希さんは、もりくぼにさっき差し出した薬瓶を、
くるくると指でもてあそんでいました。



「プロデューサーが困ってたから、あたしは惚れ薬をあげた。

『……これぞ、と思う子がいたら、一人だけこれを使っていいよ。
 そしたら、その子はキミに恋人のように尽くしてくれるから』

 ……って言って、渡した」

「そんな物を作って、渡すなんて……」
「それを……プロデューサーは、まゆちゃんに使っちゃったんだよ」



まゆさんのプロデューサーさんから電話ごしに聞いた、
『まゆは誰がなんと言おうと、絶対に、本当にトップアイドルになれる器なんだ』
という響きが、思い出されました。

「あたしも、まさか出会ったばっかりの子に使うとは思わなくてさ。
 どんだけ、まゆちゃんにティンとキてたのかなぁ、プロデューサーは」

一目惚れしたのは、まゆさんではなく、プロデューサーさんの方……?



「まゆさんのプロデューサーさんは……まゆさんに惚れ薬を盛って……
 それなのに、まゆさんを突き放したって言うんですか……?」

もりくぼの問いに、志希さんは『ひっどいヒトでしょ?』と笑いました。



「もりくぼちゃん言ってたよね。『アイドルは恋愛しちゃいけない』って。実に正論。
 アイドルはゲイシャガールと違って、芸だけじゃなくキャラ――ココロ――も売るヒトだもんね。

 そんなキミの正論をなぜあたしが無視したのか、疑問に思わなかったんだ?
 でも、この前提を知った今はどうかな」


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