過去ログ - 響子「恋するオトメは何色の瞳をする?」
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1: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/05/08(日) 23:04:56.15 ID:IMoSzx9M0

・吉岡沙紀ちゃんと五十嵐響子ちゃんのSSです



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2: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/05/08(日) 23:05:54.30 ID:IMoSzx9M0

その日は予報通りに、キレイな青が一面に描かれた空模様でした。

こんないい天気の日に、ひとり事務所のソファに浅く座って難しい顔をしている人がいて、
これがいいかな、いやいやこっちかな、これも捨てがたいなぁ、
以下略



3: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/05/08(日) 23:07:19.83 ID:IMoSzx9M0

よっぽど集中しているみたいで、私が近くに立っても、
手に持ったスマホから視線を外すことなく悩み続けていた。

さすがに覗き込むのは失礼かなっておもったから、
以下略



4: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/05/08(日) 23:13:44.04 ID:IMoSzx9M0

ゆっくりと顔を近づけて、すぐに溶けていきそうな声で「沙紀さん」と名前を呼んでみたら、
いままで聞いたことなんてないひっくり返ったみたいに変な声を出して、
手にしていたスマホが宙に待った。

以下略



5: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/05/08(日) 23:18:20.03 ID:IMoSzx9M0

「おはようございます。どうしたんですか? ずいぶんと悩んでいたみたいですけど」

「いや、いや、なんでもないっすよ、なんでも」

以下略



6: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/05/08(日) 23:18:53.12 ID:IMoSzx9M0

「いや、えっと、その」

「なにか悩んでるみたいでしたよ? 私の勘違いですか?」

以下略



7: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/05/08(日) 23:21:11.84 ID:IMoSzx9M0

「き、響子ちゃん、近いっす」

「だって、沙紀さんが言ってくれないから」

以下略



8: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/05/08(日) 23:22:37.96 ID:IMoSzx9M0

なんで私が照れてるんだろう、
おかしくなって、笑いたくなった。

どうしちゃったんだろう、今日の私は。
以下略



9: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/05/08(日) 23:25:12.52 ID:IMoSzx9M0

漫画なら、ぎくり、なんて文字がつきそうな顔をして。

「えっと……」

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10: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/05/08(日) 23:27:26.55 ID:IMoSzx9M0

なにかしたかなぁ、って小さく口に出して、首をかしげる沙紀さん。
その仕草が、すごいかわいくて、同性の私でもおもわずドキッとしてしまった。

ボーイッシュとか、かっこいいとか言われる沙紀さんだけど、
以下略



11: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/05/08(日) 23:28:25.80 ID:IMoSzx9M0

「やっぱり、考えてもわからないっすよ」

今度は少し困ったみたいな表情。

以下略



12: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/05/08(日) 23:33:15.38 ID:IMoSzx9M0

「あー、えっと、そうっすね。うん、悩んでた、かな?」

ずいぶんと歯切れの悪い言葉に、今度は私の眉間に少しだけ力が入る。

以下略



13: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/05/08(日) 23:34:10.46 ID:IMoSzx9M0

「どうしたんですか? 私、聞かない方がいいです?」

「いや」

以下略



14: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/05/08(日) 23:35:33.70 ID:IMoSzx9M0

私と沙紀さんの出会いはドラマとか映画みたいなものじゃなくて、
なんてことのないありふれたものでした。

地元でスカウトされて、
以下略



15: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/05/08(日) 23:39:51.06 ID:IMoSzx9M0

申し訳ないなぁ、っておもったけれど、あとから聞いてみれば、
プロデューサー自身も沙紀さんを見ながらなにを話していたのか覚えてないって。

それくらい目の前にいるアイドルに、私たちの目は、心は、奪われていた。
以下略



16: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/05/08(日) 23:42:03.59 ID:IMoSzx9M0

そう言って示した指の先を見ると、
両腕を組んだまま椅子に座って船を漕いでいる、
濃いめの茶髪をしたスーツ姿の男の人がいた。

以下略



17: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/05/08(日) 23:43:01.08 ID:IMoSzx9M0

叩かれた後輩さんはあまり悪びれた様子もなくて、大きなあくびをしたあと、
その場でラジオ体操めいた動きで一応眠気を飛ばしているみたいだった。

「あいつはいつもああなんだ」
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18: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/05/08(日) 23:45:26.01 ID:IMoSzx9M0

「あ、私」

「五十嵐響子ちゃんっすよね?」

以下略



19: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/05/08(日) 23:47:06.27 ID:IMoSzx9M0

例えば、私はアイドルになりたい、って気持ちを持っているわけじゃなくて、
みんなに歌を届けたいとか、そういう強い意志なんてどこにもない、
プロデューサーの「君ならアイドルになれる」なんて、
使い古された口説き文句に乗せられて、
以下略



20: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/05/08(日) 23:47:48.28 ID:IMoSzx9M0

「大丈夫っすよ、私だってまだまだ慣れないことで、ミスしてばっかで」

じんわりあたたかい手はさらさらしていて、当たり前だけど女の子の手で。

以下略



21: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/05/08(日) 23:50:17.27 ID:IMoSzx9M0

「響子ちゃんもスカウトだよね? アタシと一緒っす」

まだ書類ひとつだけで、
アイドルどころかその卵にもなっていない自分が言っていいことじゃないかもだけど、
以下略



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