2: ◆rB0CA7jVXk[sage saga]
2016/05/09(月) 01:04:52.11 ID:VaszWa/To
似合わないことばかりしているようで、
どこに行ってもまるで場違いみたいで、
それでも嘘のつけないあなたが心からほどけてくれるならって
手を引いて連れ回した帰り道。
3: ◆rB0CA7jVXk[sage saga]
2016/05/09(月) 01:05:18.50 ID:VaszWa/To
「陽が落ちるのもずいぶん遅くなりましたね」
「そうね。……嬉しい」
4: ◆rB0CA7jVXk[sage saga]
2016/05/09(月) 01:05:44.82 ID:VaszWa/To
歩道橋の下を抜けるとオレンジ色の逆光がまぶしくて、
足下から伸びていく二人の影ばかり気にしてた。
海未だって何も言わない。
5: ◆rB0CA7jVXk[sage saga]
2016/05/09(月) 01:06:11.18 ID:VaszWa/To
「かわいかったですね」
「……そうね」
6: ◆rB0CA7jVXk[sage saga]
2016/05/09(月) 01:06:37.53 ID:VaszWa/To
「ねぇ絵里、」
きゅ、って握られた指先。
風が揺らしたあの子の髪、
7: ◆rB0CA7jVXk[sage saga]
2016/05/09(月) 01:07:03.78 ID:VaszWa/To
反対側の青信号が点滅しだして勢いをつけたタクシーが通り過ぎる。
風に圧されて握った手の指、
力がこもったまま、
離せなくて。
8: ◆rB0CA7jVXk[sage saga]
2016/05/09(月) 01:07:30.02 ID:VaszWa/To
「ねぇ……なんだか、へその緒みたいだと思わない?」
「えっ? ……あぁ」
9: ◆rB0CA7jVXk[sage saga]
2016/05/09(月) 01:07:56.17 ID:VaszWa/To
「っあ! ……もう、気をつけてください」
「だって海未に見とれちゃってたんだもの」
10: ◆rB0CA7jVXk[sage saga]
2016/05/09(月) 01:08:22.67 ID:VaszWa/To
「あの、絵里。
今日はありがとうございました」
「……まとめに入ってるわね?」
11: ◆rB0CA7jVXk[sage saga]
2016/05/09(月) 01:08:49.11 ID:VaszWa/To
はい。
楽しかったです。
12: ◆rB0CA7jVXk[sage saga]
2016/05/09(月) 01:09:15.29 ID:VaszWa/To
ふいうち、くらくらしちゃう。
跳ねた胸元から心がこぼれそうなほど、
なんで、
19Res/12.01 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。