過去ログ - 上条「幻想殺し無しでニューゲーム」
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5:名無しNIPPER
2016/05/11(水) 04:34:45.19 ID:6m9QFm03O
……何時間も一対一で教師の話を聞いたにも関わらず、消しゴムは浮かず、水風船は割れず、遠くの文字は一つだって読めなかった。これだけ才能がないのに、一体どうして俺はここにいるのだろうかと、上条当麻は考える。しかし、答えは見つからなかった。
学校を出てから程なくして自宅の寮に辿り着いた。
上条(今日はゆっくりしよう……)
そう考えながら部屋の扉を開けて、寝汗で湿ってしまった布団を取り込もうとベランダに出ると、布団の隣に何やら人のような形の物が干してある。
上条「……は?」
というか、人のような物ではなく、それは人だった。
その人は、彼の気配を感じたのか、垂れていた頭を上げると。
禁書「お腹減ったな。何か食べさせてくれると嬉しいかも」
上条(ルンペンかよ)
ただただ困惑していた上条だったが。
上条「あー……、とりあえず中に入るか?」
禁書「うんっ!ありがとうなんだよ!」
その少女の姿を見やれば、どうやらシスターであるようだ。白い修道服を身に纏っている事からその様子が伺えた。
上条「こんな物しかないけど」
そう言って彼が取り出したのは、冷凍しておいた白米だ。彼は、あらかじめ多く炊いておいた米を長く保存する為にこうしている。
禁書「わぁ!おいしそう!」
解凍して温めた米にと、幾つかのご飯の共をちゃぶ台に並べて、そこにインスタントの味噌汁を付け足した。ロクなもてなしではないが、彼女の方がロクでもないのは確かだと、上条は思っていた。
禁書「いただきますっ」
一応感謝はしているらしい素振りを見せるが、そんな事よりもきになることがあり過ぎて、何を聞けばいいのかと考えを張り巡らせていると彼に、彼女は。
禁書「おかわりが欲しいかも」
上条「……ちと待ってな」
もう一杯、白米を平らげていた。
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