過去ログ - 「路地裏で猫を撫でたら、不思議な場所へ着いた」
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6:名無しNIPPER[sage saga]
2016/05/16(月) 01:41:57.76 ID:mW051LL10

文字の事が気になり、タップリの力説する不思議文学の魅力は半分も頭に入らなかった。
説明がひと段落するとタップリはふう、と息を吐き、空になった紅茶のカップを持ち上げた。

「ま、行く当てがないのなら家に住んだらええのじゃよ。退屈はせんぞぉ、何せ不思議文学者の家じゃからな」

「あの、とても嬉しいんだけど!……私も、帰らないとお母さんが心配するし」

「ふむ、帰り方は分かるのかね?」

「えっと……電車とか新幹線とかって……」

「電車はあるがね、多分カノンの知っている駅名はないと思うじゃよ」


カノン?
聞きなれない呼ばれ方に再び首をかしげたが、タップリは何も言わずに応接室を出た。
しばらくして戻ってきた彼は、手に路線の地図を持っていた。


「ほれ」

「あ、ありがとう……」


そこには、やはり見た事のない駅名ばかりが戦で繋げられていた。
『風の分岐点』『狐尾っぽ』『猫尾っぽ』『クリーム木星町』『キナコもち市場』……


「やはり分からんか」


篠が首を振ると、タップリはため息をついた。


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