過去ログ - 【キズナイーバーSS】 「仄かに薄れて消えるる私は」
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3: ◆2DegdJBwqI[saga]
2016/05/26(木) 14:39:52.93 ID:8pdSuCqxo

 私は手をかざしてみた。

 それは、漫画でよく見た仕草だった。

 遮られた輝きは、私の顔に薄い陰を降らせる。

 目をつむった。まぶたの裏を一瞬の闇が覆った。そこに少しずつ光の輪の残光が滲みだした。

 ふかふかのベッドの分厚い生地。羽のように軽い私の身体でも深く沈み込むスプリング。

 横たえた身体。熱い、におうような呼気。いがらっぽい喉。苦い唾をのむ。

 持ち上げた腕が、びりびりと痺れだす。

 さっきまでペンを握っていた腕。右腕。細い腕。青白い腕――それは、骨ばって、折れそうで、すかすかとしていて。



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