過去ログ - 【キズナイーバーSS】 「仄かに薄れて消えるる私は」
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50: ◆2DegdJBwqI[saga]
2016/05/31(火) 23:15:34.14 ID:d4PzBwiUo

 ――私の中の穂乃香は、笑っていた。満面の笑顔だった。

 思い出した。

以下略



51: ◆2DegdJBwqI[saga]
2016/05/31(火) 23:17:14.74 ID:d4PzBwiUo

 不意に私は、表情が薄い彼女を、笑顔にしてみたい、という衝動に襲われた。

 それが話しかけてみる踏ん切りになった。

以下略



52: ◆2DegdJBwqI[saga]
2016/05/31(火) 23:19:06.84 ID:d4PzBwiUo

 ――気が付くと、机に向かいながら、私は一人で泣いていた。

 声を上げず、涙が静かに頬を伝った。

以下略



53: ◆2DegdJBwqI[saga]
2016/05/31(火) 23:20:40.87 ID:d4PzBwiUo

 ――夕日が差す図書室。

 本当は、あんな顔をさせたかったわけじゃなかった。

以下略



54: ◆2DegdJBwqI[saga]
2016/05/31(火) 23:22:23.28 ID:d4PzBwiUo

 生きたい。

 穂乃香が欲しかった。抱きしめて欲しかった。強く、強く。

以下略



55: ◆2DegdJBwqI[saga]
2016/05/31(火) 23:23:29.14 ID:d4PzBwiUo

 大きく息を吸って、気を取り直して、原稿と向かいあった。

 身体が鉛のように重い。頭がドロドロのスープになったように、考えがまとまらない。

以下略



56: ◆2DegdJBwqI[saga]
2016/05/31(火) 23:24:47.57 ID:d4PzBwiUo


『私を覚えていることで、あなたが辛くなるのならいつでも忘れて欲しい だって私は――』


以下略



57: ◆2DegdJBwqI[saga]
2016/05/31(火) 23:26:05.04 ID:d4PzBwiUo

 この通りにするなら、今まで描いていた原稿、これから先を全部描き直さなくてはいけなかった。

 なんだ、だったら描かなきゃよかったのに。

以下略



58: ◆2DegdJBwqI[saga]
2016/05/31(火) 23:30:04.55 ID:d4PzBwiUo

 私は笑った。

 穂乃香じゃなくても、私にだってわかるくらい、これじゃお話がめちゃくちゃだ。

以下略



59: ◆2DegdJBwqI[saga]
2016/05/31(火) 23:32:07.86 ID:d4PzBwiUo

 その代わり、いつまでも苦しまなくて済むようになるはずだ。

 だってこれは呪いではない。

以下略



60: ◆2DegdJBwqI[saga]
2016/05/31(火) 23:33:36.16 ID:d4PzBwiUo

 そう思いたかった。

 そう思うために、私ができることといえば、描くこと。

以下略



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