過去ログ - 荒木比奈「最初の一歩が踏み出せなくて」
1- 20
14:名無しNIPPER[sage saga]
2016/05/26(木) 23:45:56.83 ID:SxnKCCpl0

 当時の担当は――元々、感じの良い男ではなかった。
 口先だけは優しそうだが、どこか傲岸で、根拠のない自信に溢れた人間であった。
 実際、仕事が出来る人間だったというわけではないらしい。美波の人気も、ひとえに彼女自身の営業努力の賜だったと言っても良い。
 だが新田美波のブレイクで気を良くしたプロデューサーが調子に乗って担当を増やし始め、それが彼の転落につながる。
 彼の見込んだ他のアイドル達がことごとく問題児で、まったく成長の兆しが見られなかった。
 ただちやほやされたくてアイドルになった問題児達の後始末に東奔西走するうちに美波のプロデュースがおろそかになり――それでも衰えない美波の人気に、『自分のプロデュースがなくても新田美波は成功した』という事実を思い知り、彼の天狗の鼻は、綺麗に折れてしまったのである。
 心優しい美波はそんな彼を心配し――事件が起こってしまう。
 
『慰めてくれよ、心優しい新田美波さまよぉ!』

 事務所で酔い潰れるプロデューサーに気を遣った美波を、彼は襲った。
 押し倒し、その唇を奪おうとしたところで――騒ぎを聞きつけたアイドルが駆けつけ、なんとか事なきを得た。

 美波はその日以降、当時のプロデューサーの姿を見ていない。
 彼の担当していたアイドル達はそれぞれ別の部署に配属され、今は心を入れ替え頑張ってる者も、挫折して辞めていった者もいる。
 当事者である美波は、その事件以降軽い男性恐怖症になってしまった。
 心配した、優しくした相手に裏切られ、男に対してどう接すれば良いのか分からなくなってしまったのである。
 そして彼女は、一時的にモバP預かりとなった。
 他の部署と比べれば比較的外部露出の少ない部署で、傷を癒やして貰うことになったのだった。

  



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
35Res/33.64 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice