101:名無しNIPPER[saga]
2016/06/01(水) 00:51:14.32 ID:49W9hqJ1o
楓「私は、美優さんの事を心から愛してるんですけどねえ」
蘭子「みゆさんは?」
美優「ばっ、ばっ、バカな事い、言わないでくださいっ。どうせまた適当なこと言ってっ」
蘭子「かえでさんは適当なの?」
楓「美優さんは恥ずかしがりやさんだから、こんな風に思ってる事と違うことを言っちゃうんですよ。本当は美優さんも私のことを愛してるんですから」
蘭子「じゃあ、結婚した方がいいと思う」
美優「2人ともからかうのはやめて!」
本当に怒り出しそうだったので、楓は蘭子の頭を撫でて話題を打ち切った。
3人はしばらく黙ったまま日が落ちそうになって赤みが差す商店街を歩いた。
美優「……そういえば楓さん」
楓「なんでしょう」
美優「蘭子ちゃんが、その、ドールだって事を、あんまり他の人に教えない方がいいと思うんです」
楓「……そうですね。どう考えても、その意見に同感です……ふふふ」
蘭子「?」
美優「こんなに私たちと同じ姿をして、私たちと同じように考えて、動いて……私には、人間もドールも、どっちも変わらないと思うんです。ここにいるのは蘭子ちゃんっていう一人の子供で……」
楓「……蘭子は、蘭子ですものね」
蘭子はキョトンとして楓たちの会話を聞いていた。
楓はそんな蘭子を見て、こう思った。
このドール……蘭子という個は、一体どこまで自分を自分と認識しているのだろう。
まだ自分に深く関心を持つような心を持っていないのか、あるいはそんな事は考えないように作られているのか……どちらにせよ、楓は、蘭子が自身がドールだと自覚した時、それをどんな風に受け止めるのかを考えると怖くなるのだった。
もし、蘭子が自分はドールだと認めなかったら……
もし、蘭子が自分は人間だと主張するようになったら……
ばかげている、と楓はかぶりをふった。
楓(そんなのは関係ないって、いま美優さんも言ってたのに……)
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