116:名無しNIPPER[saga]
2016/06/01(水) 01:39:16.18 ID:49W9hqJ1o
渋谷夫妻がしきりに蘭子に話しかけている。
時折美優が助け舟を出しながら、蘭子は一生懸命質問に答えていた。
卯月がその横に座ってニコニコと話を聞いていた。
「いつもどんな本を読んでいるの?」
「えっと、クトゥルフ神話とか……あと、二宮飛鳥先生の漫画とか……」
「聞いたことない名前だな」
「あっ、その、他にもファンタジー小説とか」
云々。
楓がそんなやり取りを横目に一人でワインを飲んでいると、凛が改まった様子で話しかけてきた
凛「…………あの」
楓「あら、お酒は未成年はダメですよ」
凛「いや、そんなつもりじゃ……」
楓「でも、ワインは実は体にはいいんですって……ふふふ」
凛「はあ……じゃなくて! その……さっきは生意気なこと言ってごめんなさい」
楓はむせ返りそうになった。
笑いそうになるのを堪えながら、凛の言葉の続きを待った。
凛「卯月のこと、よろしくお願いします。私だけじゃ、卯月を幸せにしてあげられないから……」
楓「本当にそうかしら?」
凛「…………」
楓「まあ、気持ちは分からなくもないですけどね。私もよく考えます……蘭子にとっての幸せって何なんだろう、って」
凛「……十分、幸せそうに見えるけど」
楓「今はね。でも蘭子の人生にとっての喜びは、与えられるものだけじゃないと思うの」
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