過去ログ - 楓「命短しススメよ乙女」
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157:名無しNIPPER[saga]
2016/06/01(水) 11:47:53.03 ID:49W9hqJ1o
……あなたが居なくなってしばらく、私の心にあったのは、からっぽの空洞だけでした。
いっぱい泣きました。
あなたが居ない寂しさに耐えられないと思った事もありました。
それでも、私が挫けずに生きてこられたのは、あなたがたくさん愛してくれたこの子が、今日まで私の傍にいてくれたからです。

楓さん。

あの子が、蘭子ちゃんが、どれほどあなたの事を好きだったか、あなたは知っていますか?
あの子は、あなたが眠ったまま目を覚まさず、もう二度と起き上がることがないと理解するのに、少し時間がかかりました。
それもそうですよね。
私だって、最初は受け入れられなかったんですから。

でもあの子は、あなたが死んだのだと理解しても、けっして泣くまいと、まるで自分にそう言い聞かせているように、必死に涙を堪えていました。
「約束したから」って、そう言って、本当はとても悲しくて苦しくて仕方ないのに、あの子はどこまでもあなたにとっての良い子であり続けようとしました。
「かえでさんは、みゆさんのことも私のことも大好きだったって。だから、悲しむ必要なんてないんだよ」って、私がついあなたのことを思い出して、悲しみと後悔に泣いてしまいそうになるたびに、あの子はそうやって私を慰めてくれました。
それでもやっぱり、あの子もまだ子供だったから、隠れて泣いたりしていたんですよ。

……楓さん。

私たちは、あなたを失った悲しみを乗り越えるのに、たくさん時間がかかりました。
そうしているうちに、私や、蘭子ちゃんを取り巻く世界も、少しずつ変わっていきました。
色々あったけれど、今はもう、ちゃんと前を向いて進んで行きたいと思えるようになりました。
私も、乙女の端くれですからね。



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