16:名無しNIPPER[saga]
2016/05/31(火) 03:49:30.41 ID:6D4QUdRpo
 美優はしばらく楓からドールについて説明を受けた。 
  
 曰く、食事や風呂、排泄などは気を使う必要がない。 
 曰く、外見は14歳の少女だが精神や意識が適齢に育つのは時間がかかる。 
 曰く、怪我や病気(故障)した場合、メーカーへ迅速に問い合わせる事。 
  
 云々。 
  
 美優がもっとも心配していたのはお金に関する事だったが、なんやかんやあって修理治療にかかる料金は一切ユーザーに負担させない仕組みらしい。 
  
 美優はあまり細かい制度や仕組みにこだわらない性格だった。 
 結果さえ明白ならば、経過や理屈はなんやかんやで良いのである。 
  
 ただし、例えば服や、ドールが欲しがるおもちゃや嗜好品などはもちろんユーザーが買い与えなければならない。 
  
 せめてワガママに育ってくれませんように、と美優は祈った。 
  
 楓「……あ! もうこんな時間」 
  
 楓がバタバタと慌ててスーツを着て化粧を整える。 
  
 楓「それじゃ行ってきます」 
  
 美優「行ってらっしゃい」 
  
 バタンと扉が閉まる音。 
 いつもと同じ、見送った後の耳鳴りがするような静寂。 
  
 しかし今はもう1人ではないのだ。 
  
 美優「……お昼ご飯作らなきゃ」 
  
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