43:名無しNIPPER[saga]
2016/05/31(火) 21:34:35.57 ID:6D4QUdRpo
◇ ◇ ◇
美優が海外に行っている間も日中は事務所に居なければならない楓だったが、半休を取るなどしてなるべく蘭子の面倒をみるようにしていた。
これに関しては、会社がドール事業に少し噛んでいるということもあって、周囲が積極的に理解を示してくれた。
渋谷部長が「育児休暇みたいなもんだな」と言ったが、いずれドールが普及した時には本当に育児休暇と似たような制度が出来るかもしれないと思った。
それに、この会社はあらゆる面でいい加減なのである。
楓が仕事の量を減らした所で、そもそも重要な案件というものがなく、差し迫ったスケジュールもない。
では具体的に何の仕事をしているのかと聞かれたら、誰も答えられない。
ここはそういう組織なのだ。
そんな中、今日の楓は珍しく分かりやすい仕事を任せられていた。
入社志望者の面接担当である。
コンコン。
楓「どうぞお入りください」
「失礼します」
入ってきたのは、いかにも真面目そうな清楚な女性だった。
履歴書にある写真よりも大人びた印象を受けるのは、その一挙手一投足に品の良さを感じるせいだろうか。
楓「お掛けください」
そう言って楓は手元に用意した彼女の履歴書に改めて目を通した。
楓「ええっと、名前は新田美波さん……でよろしいですね?」
美波「はい。よろしくお願いいたします」
楓「そんなかしこまらなくて大丈夫ですよ。楽しくやりましょう」
美波「は、はい!」
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