44:名無しNIPPER[saga]
2016/05/31(火) 21:35:24.64 ID:6D4QUdRpo
楓の隣にはもう1人、面接官がいる。
しかし彼は彼で妙に緊張していてさきほどから一言もしゃべらない。
無理もない。
そもそも、まだ会社に入って1年に満たない新人の彼がなぜ面接官をやっているのか。
そういう会社もあると聞いたことはあるが、この武内くんという新人は中々どうして口下手なのである。
ちなみに楓も人事部の人間ではない。
更に言えば面接などしたこともされたこともなかったし、会社で重要なポジションに居るわけでもなかった。
ではなぜこの2人が面接官をしているのかというと、単なる上司の気まぐれである。
「今日入社志望の面接があるんだけど、とりあえず楓ちゃんと武内くんの2人に任せたから〜」とは朝会の宮本先輩の台詞である。
ここはそういういい加減な組織なのだ。
突然、明日から君が社長になれと言われても不思議ではない。
楓はこんな職場でもそれなりに順応してきた。
コツは、とにかく目の前の仕事をなんとかすればいいのだ。
楓「そうですね……ところで、面接ってどんな質問すればいいんでしょうか」
美波「…………」
楓「武内くん?」
武内「は、はいっ、えー、まずは志望動機などを聞くのが定石かと……」
楓「なるほど!では新田さん、この会社を志望した動機を教えてください」
美波「はい。私は大学時代……」
云々。
美波「……以上の理由から、御社を志望いたしました」
楓「分かりました」
あんまり分かっていないのである。
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