9:名無しNIPPER[saga]
2016/05/31(火) 03:41:42.66 ID:6D4QUdRpo
◇ ◇ ◇
翌朝、楓は美優の小さな悲鳴で目が覚めた。
楓「どうかしましたか……?」
美優「ご、ごめんなさい。人形にまだ慣れてなくて……」
起床していつも通り洗面台に向かおうとした所、見知らぬ人がソファに座っているのを見て驚いてしまったのだった。
楓「人形じゃなくて蘭子……まあいいです、そのうち慣れますよ。……もうちょっと寝させてもらいます」
美優「ダメです。二度寝禁止」
無理矢理布団を剥がされる。
楓は寝ぼけた足取りでソファにどさりと腰を下ろし、昨日とほとんど変わらない姿勢の蘭子をぼんやり見つめながら、「蘭子、おはよう」と呟いた。
美優「ほら楓さん。着替えて、顔洗って」
楓「はぁい」
美優「……それにしても熱心ですねぇ。私には挨拶してくれないのに、人形にはするんですか」
楓「ふふふ、美優さんったらやきもち焼いてる。やきもち焼いてイヤな気持ち……」
美優「そんなんじゃないです。もうすぐ朝ごはんできますから早く……あっ!」
ガシャン。
美優の手に持っていた皿が床に落ちた。
思わず息を呑む。
人形の蘭子が、じっと美優を見つめていたのである。
目の錯覚かと思ったが、その瞼が眩しそうにまばたきしているのを見て再びぎょっとした。
人形の瞳がキョロキョロと辺りを見渡している。
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