91:名無しNIPPER[saga]
2016/06/01(水) 00:43:08.82 ID:49W9hqJ1o
◇ ◇ ◇
さて、ようやく本当の目的地である。
ありすや文香と話し込んでいる間に、会場にはすでに多くのファンが集まって列を成していた。
蘭子「こ、これに並ぶの……?」
途端に萎縮してしまう蘭子を励ましつつ、美優も内心では呆気にとられていた。
人数が多いという事ではない。むしろその点では想像していたより小規模な気がした。
問題なのは、そのファンたちの格好である。
列の中には、蘭子よりどぎついファッションをしている少女も少なくなかった。
二宮飛鳥の作風からすれば、そのファン層というのも自ずから癖の強い猛者が集まるものである。
美優も彼女の漫画を読んだことがある。
耽美、難解、退廃を極めたような作風は、確かに比類のないものに違いなかったが、それを理解できる読者というのもまた限られるように思われた。
その選ばれし者たちがここに集っているのだ。
疑問の余地なく、当然のように全て女性である。
中には美優よりも年上らしい人もいた。
美優「そういえば、楓さんは?」
蘭子「あそこに居るよ」
見ると、列から少し離れたところで手を振っている。
蘭子「3人も並ぶ必要ないでしょう、って」
逃げられた、と美優は思った。
本当に抜け目ない人である。
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