94:名無しNIPPER[saga]
2016/06/01(水) 00:45:41.60 ID:49W9hqJ1o
楓「……おかえりなさい。楽しかった?」
蘭子「うん!飛鳥先生、すっごくかっこよかった!」
蘭子はこれ以上ないくらい満足気であった。興奮未だ冷めやらず、といった様子である。
一方、美優はわけのわからない疲労感にぐったりしていたが、
蘭子が楽しめたのなら、と思い気を取り直した。
美優「蘭子ちゃん、体の調子はどう?疲れてない?」
蘭子「ううん、大丈夫!」
蘭子はそう言うが、美優はあまり信用できなかった。
また先ほどのように唐突に電池切れ、といった事態もありうるのだ。
そんな風に安心できないでいる美優に楓がそっと耳打ちした。
楓「実は私、ずっと監視していたんですけど、なぜかこの付近は全然蘭子の体力が減らないんです。WETの電波は弱いままだし、IDOLのバッテリーはちゃんと減るのに……一体蘭子はどこからエネルギーを得てるんでしょう?」
もちろん美優に分かるはずはなかった。
美優「蘭子ちゃんが問題なさそうなら、それでいいんじゃないでしょうか? それより楓さんのIDOLの方が危ないんじゃ」
楓「ああ、それは今の所大丈夫ですよ。ちゃんと予備のバッテリーも持ってきましたから」
用意周到である。こういう所も抜け目ないのだった。
まだ午後は時間があるし、蘭子も元気そうだからと、美優はショッピングの続きを提案した。
蘭子はまた喜んではしゃいでいた。
そうして商店街を3人で歩きながら、楓は、あの『鷺沢書房』から離れるにつれ、再び蘭子の体力が減り始めたのを見逃さなかった。
ふと思い出したのは、文香のセリフである。
楓(活字を食べて生きているような人たち……)
情報生命体とでも言うべきあの建物である。蘭子の体力が減らない事と何か関係があるかもしれないと考えたが、次には考えても分からない事だと諦めた。
どのみち、楓の理解の範疇を大きく超えているのだ。
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